毎晩必ず6時間で目が覚めてしまう、その悩み、とてもお辛いことと思います。
この記事では、6時間で目が覚める現象がなぜ起こるのか、その原因とメカニズムを詳しく解説します。

私の年齢(50代)だと、6時間睡眠って普通なの?それとも足りないの?



年齢による変化や、睡眠の質が関係している可能性がありますよ
この記事でわかること
- 必ず6時間で目が覚める原因(体内時計、年齢、睡眠サイクル、生活習慣、ストレスなど)
- 年齢に応じた適切な睡眠時間
- 睡眠の質を高めるための具体的な7つの習慣
- 改善しない場合の対処法と相談先
毎晩6時間で目覚める…体の自然なリズム?


毎晩決まった時間に目が覚めるのは、体の自然なリズムや年齢による変化が関係している場合が多いです。
睡眠中に目が覚める「中途覚醒」と「早朝覚醒」の違い、年齢による適切な睡眠時間の変化、睡眠サイクルと目覚めの関係、そして体内時計やホルモンの働きについて理解を深めましょう。
これらのメカニズムを知ることで、ご自身の睡眠パターンを客観的に見つめ直し、改善への第一歩を踏み出せます。
睡眠中に目が覚める「中途覚醒」と「早朝覚醒」
睡眠の途中で目が覚めてしまう現象には、主に「中途覚醒」と「早朝覚醒」の2つのタイプがあります。
中途覚醒は、寝付いた後に何度も目が覚めてしまう状態です。
一方、早朝覚醒は、普段起きる時間よりもずっと早く、例えば2時間以上前に目が覚めてしまい、その後なかなか寝付けない状態を指します。
令和元年の厚生労働省「国民健康・栄養調査」によると、希望する起床時刻より2時間以上早く目覚め、その後眠れないことが「週に3日以上ある」と回答した人の割合は、20歳以上の男女計で8.7%でした。(調査年や定義により数値は変動します)
中途覚醒も早朝覚醒も、加齢とともに増える傾向が見られます。



夜中に何度も目が覚めるのも、朝早く目が覚めすぎるのも、どっちもつらいわ…



どちらのタイプかを知ることが、原因を探る手がかりになります
これらの症状が週に3回以上、数週間続く場合は、慢性的な不眠の状態といえます。
年齢による適切な睡眠時間の変化
一般的に、年齢を重ねると必要な睡眠時間は少しずつ短くなることが知られています。
ある研究によると、必要な睡眠時間は約20年ごとに30分程度短縮するとされています。
例えば、15歳前後では約8時間必要だった睡眠が、45歳では約6.5時間、65歳では約6時間が目安となります。
年齢目安 | 必要な睡眠時間の目安 |
---|---|
15歳前後 | 約8時間 |
25歳 | 約7時間 |
45歳 | 約6.5時間 |
65歳 | 約6時間 |



ということは、私(50代)が6時間で目が覚めるのは、必ずしも睡眠不足じゃないのかしら?



年齢に応じた生理的な変化である可能性も考えられますね
50代の方であれば、6時間程度の睡眠で日中の眠気などがなければ、ご自身にとって十分な睡眠時間である可能性もあります。
約90分周期の睡眠サイクルと目覚めの関係
私たちの睡眠は、一晩のうちに「レム睡眠(浅い眠り)」と「ノンレム睡眠(深い眠り)」を繰り返す、約90分のサイクルで構成されています。
この睡眠サイクルは、通常、一晩で4〜5回繰り返されます。
6時間の睡眠をとると、ちょうど4回目のサイクルが終わる頃にあたります。



眠りが浅くなるタイミングで目が覚めやすいってこと?



はい、サイクルの変わり目は、比較的スムーズに目覚めやすいタイミングなのです
睡眠サイクルと目覚めのタイミングが合うことで、「必ず6時間で目が覚める」という現象が起こりやすくなります。
体内時計と睡眠ホルモン(メラトニン・コルチゾール)の働き
私たちの体には「体内時計」と呼ばれる、約24~25時間のリズムを刻む仕組みが備わっています。
この体内時計は、睡眠と覚醒のサイクルを調整する上で非常に重要です。
夜になると、脳から睡眠を促すホルモン「メラトニン」が分泌され始め、自然な眠気を誘います。
メラトニンは就寝後2~3時間で分泌量がピークに達し、その後徐々に減少していきます。
明け方になると、今度は体を活動モードにするホルモン「コルチゾール」の分泌が増え、血圧を上昇させて自然な目覚めを準備します。
ホルモン | 主な働き | 分泌のタイミング |
---|---|---|
メラトニン | 睡眠を促す | 夜(就寝2~3時間前から増加し、就寝後2~3時間でピーク) |
コルチゾール | 体を目覚めさせる準備 | 明け方(メラトニン減少後に増加) |



ホルモンのバランスも、睡眠に関係しているのね…



はい、体内時計が乱れると、これらのホルモンの分泌タイミングがずれ、意図しない時間に目が覚める原因になります
体内時計のリズムが整っていることが、質の高い睡眠とすっきりとした目覚めには不可欠です。
なぜ?必ず6時間で目が覚める主な原因


決まった時間に目が覚めてしまう背景には、様々な要因が考えられます。
中でも体内時計のリズムや心身の状態、生活習慣が大きく関わっていることが多いです。
ここでは、ストレスや不安、寝酒、生活リズムの乱れ、カフェイン、病気、そして加齢といった、6時間で目が覚める主な原因について詳しく見ていきましょう。
これらの原因を理解することが、ご自身の睡眠を見直し、具体的な対策を講じるための第一歩となります。
ストレスや不安による自律神経の乱れ
強いストレスや日常的な不安は、心身の緊張状態を引き起こし、自律神経のバランスを乱す大きな原因となります。
自律神経は、私たちの意思とは関係なく、呼吸や体温、睡眠などをコントロールしている重要なシステムです。
このバランスが崩れると、夜間に交感神経(活動モード)が優位になり、寝つきが悪くなったり、眠りが浅くなったりします。
特に、ストレスを感じると分泌される「コルチゾール」というホルモンには覚醒作用があり、過剰になると夜中に目が覚めやすくなるのです。
お仕事のプレッシャーやご家庭のこと、ご自身の体調など、気がかりなことがあると、無意識のうちに睡眠に影響が出ていることは少なくありません。



仕事や家庭のことで悩むと、夜中に目が覚めてしまうのはなぜ?



ストレスが自律神経を乱し、睡眠を浅くしてしまうのですよ
心当たりがある場合は、意識的にリラックスする時間を取り入れるなど、ストレスケアを心がけることが、質の高い睡眠への近道となります。
寝酒が招く浅い眠りと覚醒
寝る前にお酒を飲むと、リラックスして寝つきが良くなるように感じることがあります。
しかし、それは一時的な効果であり、アルコールは全体的な睡眠の質を大きく低下させることが分かっています。
アルコールが体内で分解される過程で生成される「アセトアルデヒド」という物質には強い覚醒作用があります。
そのため、飲酒して数時間後、ちょうどアルコールが代謝され始める深夜から早朝にかけて、目が覚めやすくなるのです。
また、利尿作用によってトイレに行きたくなることも、中途覚醒の原因となります。
寝酒のデメリット | 具体的な影響 |
---|---|
睡眠の質の低下 | 深い睡眠(ノンレム睡眠)が減少し、浅い睡眠が増える |
中途覚醒の増加 | アセトアルデヒドの覚醒作用により目が覚めやすくなる |
早朝覚醒のリスク | 睡眠後半に覚醒しやすくなる |
利尿作用による覚醒 | 夜中にトイレに行きたくなる |
いびき・睡眠時無呼吸の悪化 | 筋肉が弛緩し、気道が狭くなるため |
ぐっすり眠るためには、就寝前の飲酒習慣を見直すことが非常に大切です。
不規則な生活と体内時計のズレ
私たちの体には、約24時間周期で睡眠と覚醒のリズムを刻む「体内時計」が備わっています。
この体内時計は、光を浴びる時間や食事、活動時間などによって調整されており、規則正しい生活を送ることが正常な働きを保つ鍵となります。
しかし、就寝時間や起床時間が日によってバラバラだったり、食事の時間が不規則だったりすると、体内時計のリズムが簡単に乱れてしまいます。
特に、週末の「寝だめ」のように平日の睡眠不足を補おうと遅くまで寝ていると、体内時計が後ろにずれ込み、月曜日の朝がつらくなる「ソーシャル・ジェットラグ(社会的時差ぼけ)」と呼ばれる状態を引き起こすこともあります。



週末に寝だめすると、かえって月曜日がつらい気がする…



体内時計のリズムが乱れてしまうためかもしれませんね
毎日できるだけ同じ時間に寝て、同じ時間に起きる一定の生活リズムを心がけることが、安定した睡眠を取り戻すための基本となります。
夕方以降のカフェイン摂取の影響
コーヒー、紅茶、緑茶、エナジードリンクなどに含まれるカフェインには、神経を興奮させて眠気を覚ます覚醒作用があります。
そのため、摂取する時間帯によっては、夜の寝つきや睡眠の質に影響を与える可能性があります。
カフェインの効果は個人差がありますが、一般的に摂取後30分〜1時間程度でピークに達し、4時間ほど持続すると言われています。
体内で完全に代謝されるにはさらに時間がかかるため、特にカフェインに敏感な方は、夕方以降に摂取すると夜になっても覚醒作用が残り、寝つきが悪くなったり、眠りが浅くなったり、夜中に目が覚めたりする原因になります。
カフェインを含む主な飲み物 | 摂取の目安と注意点 |
---|---|
コーヒー | 午後3時以降は控えるのが望ましい |
紅茶 | コーヒーより少ないが、摂取量と時間に注意 |
緑茶(玉露、抹茶など) | 種類によってはカフェイン量が多いため注意 |
エナジードリンク | カフェイン量が多いものが多いため、特に注意が必要 |
コーラなどの清涼飲料水 | カフェインが含まれる場合がある |
夜の安眠のためには、ご自身のカフェインへの感受性を把握し、午後の摂取量や時間帯を見直すことをおすすめします。
睡眠の質を低下させる病気の可能性
生活習慣やストレスだけでなく、何らかの病気が原因で、決まった時間に目が覚める症状が現れることもあります。
中途覚醒や早朝覚醒が続く場合は、背後に隠れた病気のサインを見逃さないことが重要です。
代表的なものとしては、睡眠中に呼吸が止まったり浅くなったりする「睡眠時無呼吸症候群」が挙げられます。
この病気では、低酸素状態になることで脳が覚醒し、夜中に何度も目が覚めてしまうことがあります。
また、脚がむずむずしてじっとしていられなくなる「むずむず脚症候群(レストレスレッグス症候群)」も、入眠困難や中途覚醒の原因となります。
さらに、「うつ病」などの精神的な不調も、早朝覚醒(予定より早く目が覚めて二度寝できない)といった睡眠障害を伴うことが少なくありません。



いびきを指摘されたり、日中の眠気がひどい場合はどうすれば?



睡眠障害の可能性もあるため、一度専門医に相談しましょう
これらの病気は、睡眠の質を著しく低下させるだけでなく、日中の活動や全身の健康にも悪影響を及ぼします。
気になる症状が続く場合は、自己判断せずに早めに睡眠専門医やかかりつけ医などの医療機関を受診することが大切です。
加齢に伴う睡眠維持能力の変化
年齢を重ねるとともに、睡眠パターンが変化していくのは、ある程度自然な生理現象です。
特に、深い睡眠(ノンレム睡眠のステージ3)が減少し、浅い睡眠(ステージ1やレム睡眠)の割合が増える傾向があります。
これにより、若い頃に比べて物音やわずかな体の不快感などで目が覚めやすくなり、睡眠を維持する能力が低下していきます。
また、体内時計の変化により、夜早く眠くなり朝早く目が覚める「睡眠相前進」という傾向も見られます。
必要な睡眠時間自体も、20代の頃に比べて短くなることが一般的です。
例えば、65歳前後の方の平均的な睡眠時間は約6時間というデータもあり、例えば50代の方にとっても、6時間睡眠で日中の眠気や倦怠感がなければ、必ずしも睡眠不足とは言い切れない場合もあります。
年齢層 | 一般的な必要睡眠時間の目安 | 睡眠の特徴 |
---|---|---|
10代後半 | 約8時間 | 深い睡眠が多く、覚醒しにくい |
20代~30代 | 約7時間 | バランスの取れた睡眠パターン |
40代~50代 | 約6.5時間 | 深い睡眠が減少し始め、中途覚醒が増え始める |
60代以降 | 約6時間 | 浅い睡眠が増え、中途覚醒や早朝覚醒がさらに増える、睡眠相が前進 |
大切なのは、ご自身の年齢による睡眠の変化を理解し、無理に長時間寝ようとするのではなく、睡眠の「質」を高める工夫を取り入れることです。
【実践編】睡眠の質を高める7つの習慣


睡眠の質を高めるためには、日々の習慣を見直すことが重要です。
起床時間の固定から始まり、朝日を浴びること、夜の光環境、寝室環境、適度な運動、入浴、そして食事まで、7つの具体的な習慣をご紹介します。
これらの習慣を実践することで、必ず6時間で目が覚めるといった悩みの改善が期待できます。
起床時間を固定する体内時計リセット術
体内時計とは、約24時間周期で私たちの体のリズムを調整する仕組みのことです。
毎日同じ時間に起きることで、この体内時計がリセットされ、夜の自然な眠気につながります。
休日でも、平日との時差を1〜2時間以内に抑えることがポイントです。
体内時計が整うと、ホルモンバランスも安定しやすくなり、日中の眠気や疲れが取れないといった悩みの軽減も期待できます。



休みの日くらい、ゆっくり寝たいんだけど…?



気持ちはわかりますが、体内時計を整えるには起床時間を一定にするのが一番効果的なんです
まずは、毎朝決まった時間に起きることから始めてみましょう。
朝日を浴びてセロトニンを活性化
セロトニンは、精神安定作用があり「幸せホルモン」とも呼ばれる神経伝達物質です。
朝日を浴びると、セロトニンの分泌が活発になり、気分がすっきりするだけでなく、夜の睡眠ホルモンであるメラトニンの材料にもなります。
起床後、15〜30分程度、カーテンを開けて自然光を浴びるか、短い散歩に出るのがおすすめです。
朝の過ごし方 | 期待できる効果 |
---|---|
起床後すぐにカーテンを開ける | 体内時計のリセット、セロトニン分泌促進 |
ベランダや庭に出て深呼吸 | 新鮮な空気を取り込み、気分転換 |
軽いウォーキング(15分程度) | セロトニン活性化、日中の活動リズムを作る |
朝食を窓際でとる | 光を浴びながら体内時計を整える、メラトニン生成 |
朝の光を習慣にすることで、夜の快眠につながるサイクルが生まれます。
夜は光環境を整えメラトニン分泌促進
メラトニンは、自然な眠りを誘う「睡眠ホルモン」で、光によって分泌が調整されます。
夜、特に就寝前に強い光(特にスマートフォンやパソコンのブルーライト)を浴びると、メラトニンの分泌が抑制され、寝つきが悪くなったり、睡眠の質が低下したりします。
就寝1〜2時間前からは、部屋の照明を暖色系の間接照明などに切り替え、デジタル機器の使用を控えることが大切です。



寝る前にスマホを見るのが習慣なんだけど、ダメかしら?



できれば就寝1時間前からは控えたいですね。代わりに読書や音楽を楽しむのはいかがでしょう
夜の光をコントロールし、メラトニンが十分に分泌される環境を作りましょう。
寝室の温度・湿度・音環境の見直し
快適な睡眠には、寝室の環境が大きく影響します。
睡眠に適した温度は夏場で25〜26℃、冬場で22〜23℃、湿度は年間を通じて50〜60%が目安とされています。
また、騒音が気になる場合は、耳栓を使用したり、ホワイトノイズマシンなどを試したりするのも良い方法です。
寝具(マットレスや枕)が体に合っていないと、寝返りが打ちにくく、中途覚醒の原因になることもあります。
環境要素 | 快適な目安 | 工夫の例 |
---|---|---|
温度 | 夏:25〜26℃、冬:22〜23℃ | エアコン、扇風機、加湿器付きヒーターの活用 |
湿度 | 50〜60% | 加湿器、除湿機、濡れタオルの活用 |
音 | 静かな環境 (40デシベル以下が理想) | 耳栓、遮音カーテン、ホワイトノイズマシンの利用 |
光 | できるだけ暗くする | 遮光カーテン、アイマスクの利用 |
自分にとって最もリラックスできる寝室環境を整えることが、睡眠の質を高める近道です。
快眠へ導く夕方の適度な運動習慣
適度な運動は、寝つきを良くし、深い睡眠を促す効果があります。
おすすめは、夕方(就寝の3時間前くらいまで)に行うウォーキングや軽いジョギング、ヨガなどの有酸素運動です。
体温が一時的に上がり、その後下がる過程で自然な眠気が誘発されます。
30分程度を目安に、無理のない範囲で続けましょう。



激しい運動の方がぐっすり眠れそうだけど?



寝る直前の激しい運動は交感神経を刺激してしまい逆効果なんです。リラックスできる程度の運動が良いですよ
習慣的な軽い運動を取り入れて、心地よい疲労感とともに眠りにつきましょう。
就寝1~2時間前の入浴リラックス法
入浴は、心身のリラックスと体温調節を通じて、快眠をサポートします。
就寝の1〜2時間前に、38〜40℃程度のぬるめのお湯に15〜20分ほど浸かるのが効果的です。
入浴によって一時的に上がった深部体温が、入浴後に下がることで、自然な眠気が促されます。
熱すぎるお湯や長時間の入浴は、かえって体を興奮させてしまうので注意しましょう。
入浴方法 | ポイント | 期待できる効果 |
---|---|---|
ぬるめのお湯(38~40℃) | 副交感神経を優位にし、リラックス効果を高める | 心身の緊張緩和 |
就寝1~2時間前に入浴 | 深部体温の低下リズムを利用し、自然な眠気を促す | 寝つきの改善 |
15~20分程度の入浴時間 | 体を温めすぎず、適度なリラックス効果を得る | 質の高い睡眠への準備 |
好みの入浴剤やアロマ | 香りによるリラックス効果を追加する | さらなるリラックス効果、気分の安定 |
就寝前の入浴をリラックスタイムとして活用し、質の高い睡眠へとつなげましょう。
睡眠をサポートする食事の摂り方
食べるものや時間帯も、睡眠の質に影響を与えます。
特に重要なのが朝食です。
朝食で炭水化物とタンパク質を摂ることで、体内時計が整い、夜のメラトニン分泌に必要なセロトニンが作られやすくなります。
夕食は就寝の3時間前までに済ませ、消化の良いものを選びましょう。
また、睡眠の質を高める栄養素として、トリプトファン(乳製品、大豆製品、ナッツ類など)やGABA(発酵食品、トマトなど)、マグネシウム(海藻類、豆類など)を意識的に摂るのもおすすめです。
カフェインは午後の早い時間までに、寝る前のアルコールは控えることが大切です。



寝る前にお腹が空いたらどうすればいい?



温かいノンカフェインの飲み物(ホットミルクやハーブティーなど)や、消化の良い少量の軽食(バナナなど)なら大丈夫ですよ
バランスの取れた食事と適切なタイミングを心がけ、体の中から快眠をサポートしましょう。
それでも改善しない…試したいこと・相談先


これまでにご紹介した睡眠の質を高める習慣を試しても、なかなか「必ず6時間で目が覚める」という悩みが改善しない…。
そんな時、諦めずに次のステップに進むことが大切になります。
ここでは、生活習慣の再点検から、自分に合ったストレス解消法の模索、ついやってしまいがちな二度寝のリスク、そして専門医への相談を考えるべきタイミングや相談先について、具体的に見ていきましょう。
独りで抱え込まず、ご自身に合った対処法やサポートを見つけることで、きっと良い方向へ進めます。
生活習慣の再点検ポイント
セルフケアを続けているつもりでも、睡眠の質が改善しない場合、無意識のうちに見落としている点がないか、もう一度基本的な生活習慣を客観的に見直してみませんか。
就寝・起床時間は本当に一定か、寝室の光や音、温度は快適か、寝る前のカフェインやアルコール、スマートフォンの使用はどうだったかなど、具体的な行動を1週間ほど記録してみるのも有効です。
思い込みをなくし、改善点を見つけるきっかけになります。



色々と試しているつもりだけど、まだ足りないのかな…?



もう一度、基本的な生活習慣をチェックリストで確認してみましょう
再点検項目 | チェックポイント |
---|---|
睡眠スケジュール | 毎日同じ時間に寝て、同じ時間に起きているか |
休日の寝坊や夜更かしは2時間以内か | |
寝室環境(光) | 寝室は十分に暗いか(遮光カーテンなど) |
就寝1時間前からスマホやPCの画面を見ていないか | |
寝室環境(音) | 気になる騒音はないか(耳栓やホワイトノイズの活用) |
寝室環境(温度・湿度) | 暑すぎたり寒すぎたりしないか(快適な室温・湿度) |
食事 | 就寝3時間前までに夕食を済ませているか |
寝る前に食べ過ぎていないか | |
飲み物 | 午後3時以降にカフェインを摂取していないか |
寝酒をしていないか | |
日中の過ごし方 | 日中に適度な運動をしているか |
ストレスを溜め込みすぎていないか |
基本的なことだと感じても、改めて確認することで、意外な改善のヒントが見つかることは少なくありません。
自分なりのストレス解消法を見つける大切さ
ストレスは自律神経のバランスを乱し、睡眠の質を低下させる大きな原因の一つです。
特に、早朝覚醒や中途覚醒に悩む方は、気づかないうちにストレスを溜め込んでいる可能性があります。
リラックスできる方法は人それぞれ異なります。
ある人には効果的なアロマテラピーも、別の人には合わないかもしれません。
読書、音楽鑑賞、ガーデニング、軽い運動、友人との会話、瞑想など、様々な方法を試してみて、毎日5分でも続けられる「これなら心地よい」「気分が晴れる」と感じる自分なりのストレス解消法を見つけることが大切です。



ストレスが原因なのはわかるけど、どうやって解消すれば…?



難しく考えず、ご自身が心地よいと感じることを試してみませんか
- 好きな音楽を聴く
- 温かいハーブティーを飲む
- ゆっくり湯船に浸かる
- 軽いストレッチやヨガ
- アロマを焚く
- 自然の中を散歩する
- 瞑想や深呼吸
- 日記を書く
- 信頼できる人と話す
- 趣味に没頭する時間を作る
焦らず、ご自身に合ったリラックス方法を見つけ、日々の生活に取り入れていくことで、心の負担が軽くなり、睡眠にも良い影響が期待できます。
安易な二度寝のリスク
朝早く目が覚めてしまったとき、「もう少し寝たい」と感じて二度寝をしてしまうことがあります。
しかし、安易な二度寝はかえって体のリズムを崩す原因となるため注意が必要です。
特に30分以上の長い二度寝は、せっかく整い始めた体内時計を乱し、日中の強い眠気や体のだるさを引き起こす可能性があります。
睡眠サイクルがずれ込むことで、夜の寝つきが悪くなるという悪循環にも陥りかねません。



もう少し寝たいと思って、つい二度寝しちゃうんだけど…



気持ちはわかりますが、二度寝はかえって逆効果になることもありますよ
リスク | 対策(起きた後の行動) |
---|---|
体内時計の乱れ | 起床時間を一定にする |
日中の強い眠気 | 朝日を浴びる |
倦怠感・だるさ | 軽いストレッチをする |
夜の寝つきが悪くなる | 午前中に活動的に過ごす |
睡眠の質低下 | 起きたらすぐに布団から出る |
目覚めてしまったら、思い切って布団から出て朝日を浴び、活動を始める方が、結果的に体調を整え、夜の快眠につながります。
専門医への相談を考えるべき症状
セルフケアを続けても睡眠の問題が改善しない、あるいは特定の症状が見られる場合は、専門医への相談を検討することが重要です。
例えば、週に3回以上、早く目が覚めてしまう状態が1ヶ月以上続いている場合や、日中の強い眠気によって仕事や家事など日常生活に支障が出ている場合、家族などから大きないびきや睡眠中の呼吸停止を指摘された場合、あるいは気分の落ち込みや意欲の低下が続くような場合は、背景に睡眠障害や他の病気が隠れている可能性も考えられます。
- 週3回以上の早朝覚醒・中途覚醒が1ヶ月以上続く
- 日中の耐え難い眠気で仕事や生活に支障がある
- 居眠り運転をしそうになったことがある
- 睡眠中にいびきや呼吸が止まっていると指摘された
- 寝ても疲れが全く取れない感覚が続く
- 気分の落ち込み、不安感、意欲低下が続く
- 足がむずむずして眠れない(むずむず脚症候群の疑い)
これらの症状に心当たりがある場合は、自己判断せずに、早めに専門家のアドバイスを受けることをお勧めします。
睡眠専門医やかかりつけ医への相談
睡眠に関する悩みを相談する先としては、睡眠を専門とする医師(睡眠専門医)や、日頃から健康管理をお願いしているかかりつけ医が挙げられます。
どちらに相談すべきか迷うかもしれません。
睡眠専門医は、睡眠に関する深い知識と経験を持ち、睡眠ポリグラフ検査などの詳しい検査を通じて、睡眠時無呼吸症候群や他の睡眠障害の正確な診断や専門的な治療を行うことが可能です。
一方、かかりつけ医は、患者さんの全身状態や持病、服用中の薬などを考慮した上で、睡眠に関するアドバイスや初期対応、必要であれば睡眠専門医への紹介を行ってくれます。
まずは気軽に相談できるかかりつけ医に話してみるのも良い選択肢です。
相談に行く際は、いつからどのような症状があるか、試した対策とその効果、生活習慣などをメモしていくと、診察がスムーズに進みます。



病院に行くのは少し気が引けるけど、どこに相談すればいいの?



まずは身近なかかりつけ医、または睡眠を専門とするクリニックに相談してみましょう
相談先 | 特徴 | 相談時のポイント |
---|---|---|
睡眠専門医 | 睡眠障害の詳しい検査・診断・専門的治療が可能 | 症状、既往歴、試した対策などを具体的に伝える |
睡眠時無呼吸症候群、不眠症などに特化 | 紹介状があれば持参する | |
かかりつけ医 | 全身状態を踏まえたアドバイス、初期対応 | いつから、どんな症状で困っているか明確に話す |
必要に応じて専門医を紹介 | 服用中の薬やお薬手帳を持参する | |
精神的な不調(うつ病など)の相談も可能 | 生活習慣(食事、運動、ストレスなど)も伝える |
一人で悩まず、専門家の力を借りることで、適切な診断と治療につながり、長年の睡眠の悩みが解決に向かう可能性があります。
よくある質問(FAQ)
- 私の年齢(50代)だと、6時間睡眠は短いのでしょうか? それともちょうどいいですか?
-
年齢を重ねると必要な睡眠時間は短くなる傾向にあります。
50代の方ですと、6時間程度の睡眠時間は生理的に適切な範囲内であることも少なくありません。
大切なのは時間だけでなく、日中の眠気や倦怠感がないかなど、ご自身の体調で判断することです。
もし疲れが取れないと感じる場合は、睡眠の質を見直す必要があります。
- 毎日6時間寝ていても、日中に強い眠気を感じます。これは睡眠不足なのでしょうか?
-
6時間という睡眠時間が確保できていても日中に眠気がある場合、睡眠の質が低い可能性が考えられます。
深い睡眠がとれていない、または中途覚醒が多いなどが原因として挙がります。
まずは生活習慣を見直し、寝室環境を整えることから試してみてください。
それでも改善しない場合は、睡眠障害の可能性も視野に入れるべきです。
- 必ず6時間で目が覚めるので、二度寝をしてしまいます。これはやめた方が良いですか?
-
早く目が覚めても、安易な二度寝はおすすめできません。
特に長い二度寝は体内時計を乱し、かえって日中の眠気やだるさを引き起こす原因となります。
目覚めたら、思い切って布団から出て朝日を浴びるなど、活動を開始する方が、結果的に夜の快眠につながることが多いです。
毎日同じ時間に起きる習慣をつけましょう。
- 睡眠の質を改善するために、市販の睡眠サプリを試しても良いでしょうか?
-
睡眠サプリメントは、一時的な睡眠の悩みをサポートする選択肢の一つです。
ただし、効果には個人差があり、根本的な原因解決にはなりません。
まずは生活習慣の改善やストレス対策を試すことが重要になります。
サプリメントを利用する場合は、成分や注意点をよく確認し、依存しないように注意が必要です。
改善が見られない場合は、医師への相談を検討します。
- 寝る前に仕事のことなどを考えてしまい、なかなかリラックスできません。何か良い方法はありますか?
-
寝る前の考え事は、交感神経を高ぶらせて寝つきを悪くする原因です。
寝る1時間前からは、意識的にリラックスする時間を作りましょう。
ぬるめのお風呂にゆっくり浸かる、軽いストレッチをする、穏やかな音楽を聴く、温かいノンカフェインの飲み物を飲むなどが効果的です。
自分に合ったリラックス方法を見つけて、入眠前の習慣にすることをおすすめします。
- 必ず6時間で目が覚める症状が続いています。どのタイミングで病院に相談すべきですか? また、何科を受診すれば良いでしょうか?
-
生活習慣を見直しても、週に3回以上の早朝覚醒や中途覚醒が1ヶ月以上続く場合、または日中の強い眠気で生活に支障が出ている場合は、病院への相談を検討しましょう。
まずはかかりつけ医に相談するか、睡眠を専門とする「睡眠外来」や「精神科・心療内科」を受診するのが良いでしょう。
睡眠時無呼吸症候群が疑われる場合は「呼吸器内科」も選択肢になります。
まとめ
この記事では、「必ず6時間で目が覚める」原因と、睡眠の質を高めるための具体的な対策について解説しました。
この悩みは、睡眠サイクルや加齢による生理的な変化、体内時計の乱れ、ストレスや生活習慣などが複合的に影響している場合が多く見られます。
この記事のポイント
- 6時間で目覚める原因は一つではなく、年齢や体内時計、生活習慣などが関連
- 年齢に応じた適切な睡眠時間は変化するため、単に時間だけでなく「睡眠の質」が重要
- 起床時間を固定し、朝の光を浴び、夜の光を避けるなど生活習慣の見直しが改善の鍵
- ストレスケアや寝室環境の整備も、質の高い睡眠につながる大切な要素
まずは、この記事で紹介した生活習慣の改善策を試してみませんか。
それでも日中の眠気や不調が続く場合は、一人で抱え込まず、かかりつけ医や睡眠専門医への相談を検討しましょう。